退職後のお金の不安をやわらげる「失業給付」
会社を辞めてすぐはたっぷり休みたいですよね。すぐに焦って再就職先を探さなくても、お金を受け取りながら仕事を探せる制度があります。「失業給付」です。今回は基本的なしくみと受け取れる条件などを解説していきます。
そもそも「失業給付」って何?
失業給付は、会社を失業した時に、雇用保険に入っていた人が受け取れる給付金です。
会社に所属していると、毎月お給料から雇用保険料が引かれます。
このお金が、失業時などに受け取れる保険金の積み立てと考えてよいでしょう。
つまり、保険に入ってお給料をもらう人は、正社員でも派遣でも給付を受ける資格があるということです。
※ただし”1週間のうちの所定労働時間・雇用の期間”を一定時間満たす必要があるなど、要件はあります。
失業給付の受け取り方
条件
・雇用保険に加入していたこと
雇用保険加入の条件:1週間の所定労働時間が20時間以上あり、かつ、31日以上の雇用見込みがある
・失業の状態にあること
アルバイトをしている場合は受け取り不可になるので注意です。
・「自己都合退職」の場合…離職の日から2年以内に、雇用保険に入っている期間が12か月以上あること
★自己都合の退職でも、「心身の不調」「失病」などの健康上の理由や、
妊娠・出産など特定の理由がある場合は「特定理由離職者」となり、給付が受けられることもあります。
・「会社都合退職」の場合…会社の倒産などで失業した場合は、
離職の日から1年以内に、雇用保険に入っている期間が通算6ヶ月以上あること
持っていく書類
ハローワークに持っていくものはいくつかあります。顔写真などもあるので、
事前に準備して忘れずに持っていきましょう。
●離職票1(氏名・生年月日・会社名・離職日などが記載)
●離職票2(前職での給与額・離職理由などが記載)
※1週間ほどたっても会社から送付がない場合は請求しましょう
●雇用保険被保険者証
●マイナンバーカード、またはマイナンバー通知カード
●住民票や免許証 ※現在の住所が確認できるもの
●印鑑
●振込口座の証明印(ない場合は預金通帳)
●顔写真(縦3センチ×横2.5センチ)
受け取る流れ
1 ハローワークに申し込む
2 受給説明会の日程が決まる
3 7日間の待機期間後、受給説明会を受ける
ここで「雇用保険受給資格者証」と「失業認定申告書」が渡されます。
4 失業認定日 ※申し込みの日から失業認定までおよそ4週間かかります
5 基本手当が振り込まれる※自己都合退職の場合は、第2回の失業認定日後に振り込まれます。
以降、4週間ごとに失業認定日があり、ハローワークに行き失業認定を受けると口座に失業手当が振り込まれます。
受給期間
失業手当には「所定給付日数」が定められています。
期間は雇用保険に入っていた期間と、退職理由などによって決められます。
注意したいのが「受給期間」です。
所定給付日数とは別で設定されていて、受給期間は離職した日の翌日から1年間です。
そのため、失業認定と受給開始が遅れると、先に受給期間が満了になり手当がうけとれなくなる可能性があります! 早めに手当てをもらうようにしましょうね。
ただし、会社都合で離職を余儀なくされた人や、20年以上の保険者期間があるなどの特殊なケースでは、所定給付日数が延長される場合もありますので、自分の場合に合わせて確認しましょう。
いくらもらえる?
もらえる手当の総額は、一日の基本手当の支給額を基準にして、給付の日数をかけた金額です。
支給額1日分は、給与としてもらっていた日額×50~80%で算出されます。
基本手当の日額 × 所定給付日数 = 手当の総額
となります。
※賞与や退職金は含まれません。(悲)
他にも色々!手当の種類
再就職手当
再就職をすると、残りの給付日数分の手当のうち、一定の金額をもらうことができます。
以下の要件に注意です。
●受給手続きのあと、7日間の待機期間後に再就職をすること
●再就職日の前日に、基本手当の給付日数が3分の1以上残っていること
●受給手続き前に就職していないこと
●自己都合の退職で、待機期間後1か月以内に就職の場合、ハローワークなどの紹介で再就職すること
●再就職先で1年間以上勤務することが確実であること
再就職手当は不正受給が発生しやすいので、要件が厳しめに設定されていますのでよく確認しましょう。
傷病手当
病気やけがですぐに再就職が難しい場合に受給が可能です。
要件は、15日以上連続の就労が難しい場合に支給対象になります。
また、30日以上の就労が困難な場合は、最大で3年間分、受給期間を延長できます。※所定給付日数は延長できません。
この手当は本人がハローワークに行けない時には、代理人による申請も認められています。
技能取得手当
失業手当とは別でもらえます。
いわゆる「職業訓練」を受ける際に支給されます。
受講手当(日額500円※次上限2万円)と交通費(月額4万2500円)などの通所手当が含まれます。
職業訓練は、ハローワークにて手続きが行えますので、確認してみてください。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
失業手当以外にも様々な給付金があり、日本は失業後の再出発への道は手厚いといっていいでしょう。
この利点を生かして、
心に余裕を持った状態で、自分にあった再就職先を見つけたいですね。