円満な退職のための切り出し方と具体例文を徹底解説

退職を考えているけれども、上司にどう切り出していいか分からない。そんな経験は誰にでもあるでしょう。退職の切り出し方は、非常にデリケートな問題です。適切な方法で伝えないと、職場の人間関係を悪化させてしまう可能性があります。そこで、本記事では、円滑な退職に向けた切り出し方のコツと例文をご紹介します。

上司への伝え方

退職を切り出す際は、直属の上司に口頭で伝えるのが一般的です。メールやチャットだけでは不作法とみなされる可能性があります。

アポイントの取り方

まずは上司にアポイントを取る必要があります。メールやチャットで「打ち合わせをお願いしたい」と連絡し、日時を決めましょう。余裕を持って日程を決めることで、上司も準備ができるでしょう。

アポイントを取るメールの例文は次のようになります。

「○○さま

少しお時間をいただけますでしょうか。重要なご相談がございます。

よろしくお願いいたします。」

伝える場所

退職の意思は、部外者の目に触れない静かな場所で伝えるのがベストです。会議室や個室があれば、そこでプライバシーを確保しながら話ができます。リモートワークの場合は、ビデオ通話を利用するのがおすすめです。

退職の話は、内密に進める必要があります。複数の上司に同時に伝えたり、同僚に漏らしたりするのは避けましょう。まずは直属の上司に告げ、上司の許可を得てから他者に報告する手順が求められます。

伝え方のポイント

具体的に退職の意思を伝える際のポイントは以下の通りです。

• 退職理由を正直に、かつポジティブな言葉で説明する
• 感謝の気持ちを忘れずに伝える
• 退職希望日を明確に提示する
• 後任への引き継ぎ計画を提案する
• 丁寧な言葉遣いと態度を心がける

ネガティブな理由はなるべく避け、会社への前向きな思いを示すことが大切です。上司を敬う気持ちを忘れずに、誠実な態度で臨みましょう。

退職理由の伝え方

退職の意思を上司に伝える際、最も重要なのが退職理由の説明です。説明の仕方によって、上司の反応が大きく変わってきます。

ポジティブな理由の例

退職理由は、なるべくポジティブな内容にすることをおすすめします。前向きな理由を伝えることで、上司からの引き止めを避けられる可能性が高くなります。ポジティブな退職理由の例としては、以下のようなものがあります。

• 「スキルアップやキャリアアップのため」
• 「新しい分野に挑戦したいため」
• 「起業や独立を目指すため」
• 「勉強に専念するため」

例えば「新しい環境で挑戦をしたいと考えています」といった表現が参考になるでしょう。具体的な内容は個人差がありますが、自身のキャリアビジョンを前面に出すことがポイントです。

ネガティブな理由の言い換え

人間関係や労働環境への不満、給与面での問題など、ネガティブな退職理由を伝えるケースもあるでしょう。そういった場合は、ポジティブな言い換えが有効です。例えば以下のような言い換え方が考えられます。

このように、本音を伝えつつ、建設的な表現に言い換えることが重要です。ただし、体調不良や家族の理由など、やむを得ない事情の場合は正直に説明するのが無難でしょう。

退職のタイミング

退職のタイミングを上手に見計らえることも、円満な退職につながります。いつ頃、上司に伝えるのが適切なのでしょうか。

推奨される時期

一般的には、退職希望日の1~3ヶ月前に上司へ退職の意思を伝えるのがおすすめです。この期間があれば、後任探しと業務の引き継ぎを円滑に進められるためです。

ただし、転職活動中であれば、内定を受けてから伝える方が無難です。内定が出る前に上司に伝えてしまうと、引き留められる可能性が高くなります。収入が途切れることを避けたい場合は、転職先が確定してから切り出すのが賢明でしょう。

配慮が必要なタイミング

また、会社の繁忙期や、自身が重要なプロジェクトを抱えている最中は避けた方がよいでしょう。会社にとっても、人員が足りなくなる時期は避けたいところです。

組織の重大な変更時期(合併、再編など)も、伝えづらいタイミングです。会社側の事情を考慮し、穏やかな時期を選ぶことをおすすめします。

特別な事情がある場合

体調不良や産休、介護など、特別な理由で休職中の場合は、早めに伝えるのがベターでしょう。在宅勤務中であれば、メールでの伝達も選択肢に入ります。

やむを得ない事情があれば、それを正直に説明しましょう。上司も人の道理は分かっているはずです。ただし、話のタイミングが難しい場合は、人事部門に相談するのも一案です。

メールでの切り出し方

対面での伝達が難しい場合は、メールで切り出すのも選択肢の一つです。リモートワーク中やコロナ禍など、状況に合わせた対応が求められることもあります。

メール例文

退職の意思をメールで伝える場合の例文は以下のようになります。

「○○部長 初めまして。

私事で非常に恐縮ではございますが、一身上の都合により、本年○月○日をもって退職させていただきたく存じます。

理由は○○(家族の介護、健康上の問題など簡潔に説明)のためでございます。重ねて申し訳ございませんが、ご理解の程よろしくお願いいたします。

引き続き、退職日まで最善を尽くす所存でございますので、何卒ご指導の程よろしくお願い申し上げます。

メールにて失礼をお許しください。」

メールの注意点

メールでの切り出しでは、以下のようなポイントに気をつける必要があります。

• メール本文は丁寧で分かりやすい言葉遣いにする
• 退職理由は簡潔に、控えめに説明する
• 退職希望日を明確に記載する
• 引き継ぎへの協力や感謝の気持ちを忘れずに伝える

また、メールだけでなく、電話やビデオ通話でも意思を伝えると良いでしょう。状況に応じて柔軟に対応することが肝心です。

まとめ

退職を切り出す際は、上司との信頼関係を損なわないよう、丁寧な対応が求められます。伝え方や退職理由の説明次第で、上司の反応は大きく変わってくるでしょう。

本記事で解説したポイントは以下の通りです。

• 直属の上司に口頭で伝えるのが一般的
• 退職理由はポジティブな表現を心がける
• 退職希望日の1~3ヶ月前が適切なタイミング
• 状況によってはメールでの切り出しも可能
• 引き継ぎを行い、最後まで責任を持って業務に取り組む

上手な切り出し方と準備次第で、円満な退職につながります。自身のキャリアを大切にしつつ、会社への配慮も忘れずに対応しましょう。

西山みりん

ライター・イラストレーター

携帯販売店（半年）→ブラック企業で派遣（１年半）→病んで寿司屋のアルバイト（１年）→出版社（２年～）と転職を繰り返したHSPアラサー女が、20代後半の転職を応援・情報を発信しています。